NDロードスターオーナーの木下さんから「私のNDで岡国マツ耐に出てみない」と誘われたのがきっかけで、今回マツ耐初参戦しました。参加を決めるまでは、住まいが岩手のため1000キロ離れた岡国へ練習に行けないこと、おそらくぶっつけ本番になることなど木下さんの大事な車をクラッシュで壊してしまったらどうしよう、と不安がありましたが、出ると決めてからは覚悟を決め、できる限りの自分なりのトレーニングを半年前から開始しました。シミュレーターのアイレーシングで岡国サーキットを500周は走り込んだと思います。設定で燃費を表示しどうすればタイムを落とさず燃費を稼げるのか試行錯誤し、自身でデータを作っていきました。また、昨年のマツ耐のリザルトからも燃費計算をしました。しかし、これらのデータや燃費計算が実際のレースではどうなるのかはやってみないとわからない部分が多々ありました。
木下さんの声かけにより集まったチームメンバーは、4人の女子ドライバーと2名の男性メカサポーター。私は地元の耐久レースに何度も参加経験がありましたがマツ耐のような無給油の経験はありません。耐久レースは初めてのドライバーもおり、ドライバースキルもバラバラ。このメンバーでどうしたら完走できるだろうかを考え、誰かが中心になりレース展開を組み立てる必要があると感じ、自分の耐久レースの経験を活かしてやってみることにしました。

前日、朝9時にサーキットに集合し、駐車場にてまずは撮影機材を車内に設置。リアルタイムで走行動画を送信、ピットと通信できるようにしました。その後、ドライバーチェンジの練習をしました。通常の耐久レースなど男女混合のドライバーの場合は体型の違いからシートセッティングが難しいのですが、今回は女性だけなので背部にクッションを使用するなどの工夫で問題なく行えました。カバンの中からヘルメットやグローブの他にオヤツがいろいろ出てくるのも女性ならではと思いました。前日練習の30分を3人で走行。それぞれが車の感覚とどのくらい走れるかを確認。私はシミュレーターの練習の甲斐があり、ラインも迷うことなく走行できました。また、タイヤの71Rは自身の車にも愛用しているため、安心して走行することができました。タイムは2分5秒。初走行で三周しただけにしてはまずまずの感触でした。他のドライバーも、燃費走行の感覚がつかめた、つかめなかった、等それぞれ自身のスキルを再確認できたようでした。

その日の夜のサンクスパーティにも出席。ロードスターの設計者の方、マツダ関係者の方などたくさんの方達とお話させて頂き、楽しみながら勉強させて頂きました。

当日、予選は私が立候補して担当させてもらいました。シミュレーターだけのトレーニングでどこまでタイムを出せるのか試してみたかったからです。朝の気温は1度。ブリーフィングでは霜が降りて滑りやすいので縁石は使わないほうがいいとのアドバイスがありました。この気温で縁石も使えないとなると前日の5秒からタイムアップは無理かもしれない、と思いました。しかし、いざ走ってみると予想以上にグリップ感あり、2分1秒と4秒もタイムアップ。走行中、ピットから「1秒でました」の通信が入った時はとても嬉しかったです。それと同時にグリット順も関係していることからホッとしました。

画像1: 2017 岡山国際サーキット マツ耐レポート

決勝ではそれぞれのドライバーが走り方を活かせるように順番を決定し、体力、技量と前日の練習走行の様子から、目安の走行時間とペースを指示。私はスタートドライバーを担当しました。耐久レースのスタートは何度も経験がありましたが、その時は前車から離れすぎてしまい大幅に遅れてしまいました。後のドライバーのことも考え低回転での燃費走行でスタート。しかし他チームは真逆の作戦だったらしく、何台も追い越して行きました。タイムは2分30秒前後。このままでは差が広がり過ぎてしまうため、回転数を1000上げました。すると2分一桁前後までタイムアップしてまい、ピットからもペースダウンの指示が入ります。目安のタイムを目指すのにどうすればいいのか試行錯誤して答えが出たのは自分の走行時間が終わる頃でした。燃料ゲージはほぼMAXで2ndドライバーにチェンジ。ところがドライバーから体調不良の通信あり、数周で3ndドライバーにチェンジ。3ndドライバーは20秒前後で安定してタイムを刻み、予定通りのレース展開になっていきます。2ndドライバーの分も走行し燃料も充分残っていたため「タイムアタックしてみていいよ」とドライバーに指示出します。数周アタックし2分7秒。アンカーにチェンジです。アンカーからは事前に燃費走行は苦手であることを聞いていたため「全周タイムアタックしていいです」と指示を出しました。アンカーはガンガンと攻め、風邪をひき体調不良ながら一時間近く走り続けました。「もうダメだったら戻ってきていいよ、私代わるよ」と伝えていましたが「まだいけます」と最後まで頑張り2分4秒がベストラップ。チェッカーが振られ、ピットに戻ってきた頃にはドライバーは気力と体力を使いきり放心状態でした。

初めての岡山国際サーキット、初めての無給油耐久レース、初めてのNDロードスター、初めてのチームメンバー。初めてだらけのマツ耐は、スピンもなく接触もなしでチェッカーを受けることもできました。メーターを確認すると走行可能距離数は0km。ガスアウトして残燃料は4リットルと燃費計算もまさかのぴったり。レース終了後不安から一気に解放され、達成感でいっぱいになりチームで輪になり自然と涙が溢れました。経験者で構成されたチームであればデータやスキルから戦略をたてレース展開を予測しやすいのですが、今回の場合は全てが未定。練習もほとんどなくぶっつけ本番。どの理由で失敗してもおかしくない状況でした。しかし、チームが協力し合いできること、わかることを活かして乗り越えることができたのは本当に嬉しかったです。レースが好きという共通点だけで全国各地から人が集まり、チームを組み、ドライバー、メカニック、サポート、全員で一つの目標に向かうことの、楽しさ、難しさ、嬉しさ、感動をこのマツ耐で経験することができました。今年最後の締めくくりのレースは一生忘れられない思い出になりました。1000キロ離れた岡山国際サーキット、遠いけどまた来年もマツ耐に参戦したいと思えるレースでした。

画像2: 2017 岡山国際サーキット マツ耐レポート

寄稿:熊下さん

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