
2018年7月7日、静岡県箱根ターンパイク大観山パーキングエリアの特設会場で、「RX-7 40th Anniversary Meeting 2018 in 箱根」が開催されました。
当日は雨の予報でしたが、参加者が集まり始めるとその熱気に気圧されるように雨と霧が止み、この時期にしては少し涼しい絶好の気候になりました。
集まったRX-7は40周年を迎えた初代SA22Cの3台を含めて55台。全ての車両がピカピカに磨き上げられていました。

ゲストにはロータリーエンジンの研究から2代目FC型RX-7の熟成、および3代目FD型RX-7の開発主査を務めた小早川隆治さん、そして初代と2代目RX-7のデザインを手がけた小野隆さんが招かれ、それぞれの開発秘話を披露しました。
小早川さんは話の中で、ご自身のロータリーとの関わりを話し、初代RX-7が当時アメリカで空前のヒットとなりマツダ復活の原動力となった事、そしてその最中に小早川さん自身がアメリカでRX-7を売り込んでいた事などに触れました。
続けて2代目FC型が発売されてから半年後、小早川さんに主査の話が舞い込んだ時にはその場で快諾し、FC型の∞(アンフィニ)、カブリオレの開発に尽力した事などを話していただきました。
そして「RX-7の集いに出席するたびに、ロータリーエンジンを愛している人が大勢いる事に心が温まります。こんなに嬉しい事はありません。だから今後、ぜひロータリーエンジンのスポーツカーが出てきて欲しい」と締めくくりました。

初代RX-7と2代目FC型RX-7をデザインした小野さんは、RX-7をデザインするにあたり、今までに無い未来的なデザインにしたかったという事に触れ、デザインと実際の製造技術との差を埋めるための工夫などを話し、参加者たちを盛り上げました。
当時、大ヒットしていた初代フェアレディZがありましたが、非常に現実的なデザインで、RX-7は逆にうんと未来的なデザインにしようと思ったそうです。
未来的なデザインがよく表れている部分がフロントガラスからリアハッチにかけての形状で、小野さんはその表現方法としてAピラーを黒くして目立たなくし、リアハッチも3面形状として「キャノピー」のような形にしました。
なかでもRX-7独特のルーフ形状にはこだわりがあり、初代RX-7ではルーフからリアハッチにかけてのラインは車内の居住性との兼ね合いでどうしても段差を設けなければなりませんでしたが、3代目のFD型でようやく理想的なラインが実現できたとお話しされました。
さらに小野さんは、RX-7のデザインを行う際、先人たちの伝統をリスペクトしており、特徴的な太いBピラーはコスモスポーツのBピラーをモチーフにして採用したそうです。
その伝統は3代目FD型RX-7まで連綿と受け継がれ、最後のロータリーエンジン搭載車のRX-8にまでその面影を残しています。


ミーティングは小早川さんと小野さんがそれぞれのオーナーカーの側まで行き、オーナーとの直接対話の形で身振り手振りを交えてのトークが広げられました。
オーナーさんのひとり、SA後期型RX-7に乗っている篠山紀彦さんは、
「RX-7は当時フロントグリルがある車ばかりのなか、グリルが無いクサビ形の格好いいデザインでした。そして車線内でアウトインアウトが出来るスリムさと、自分の腕で振り回せる気持ちよさが気に入っています。そして子供が生まれたときも、ちゃんと子供が座れる大きさのリアシートがある事が便利で、買い替える必要がありませんでした」
という感想で、40年近くの間ずっと大事にされている事がうかがえました。
そしてSA前期型にお乗りの日和山(ひよりやま)達也さんは、もうすぐ免許が取れるという息子さんと共に参加。息子さんも見事にRX-7好きに育ち、免許が取れたらFC型RX-7に乗りたいと言っていました。


ミーティングは14時過ぎに終了となり、主催者のディーテクニック代表 出来利弘さんの挨拶で解散となりました。
マツダの代表作の1つでもあるRX-7は、製造を終えた今日でも根強いファンがいる素晴らしい車である事が分かるイベントでした。


